回線冗長化の費用感
——初期費用・月額・構成別に整理
「回線冗長化を検討したいが、いくらかかるかわからない」という声をよく聞きます。構成によって費用は大きく異なりますが、大まかな目安を知るだけで検討が一歩進みます。本記事では構成別の初期費用・月額コストを整理し、小規模店舗・拠点に現実的な選択肢を解説します。
回線冗長化の主な構成と費用の全体像
回線冗長化の手段は大きく3つに分かれます。費用感はそれぞれ大きく異なります。
光回線 2本
固定回線を2系統確保
初期費用5〜15万円程度
月額費用1〜3万円以上
工事必要(2回)
自動切替別途機器が必要
LTEバックアップ
光回線断時に自動切替
初期費用3〜8万円程度
月額費用数百円〜
工事不要〜簡易
自動切替標準機能
テザリング
スマホで代替
初期費用ほぼ不要
月額費用個人の通信料に依存
工事不要
自動切替不可(手動)
費用はあくまで目安です:構成・回線事業者・設置環境・拠点数によって実際の費用は変わります。本記事の数値は一般的な小規模拠点を想定した参考値です。正確な費用は個別見積が必要です。
光回線2本の費用詳細
光回線を2本引く場合、費用は工事費・機器費・月額回線費の3つで構成されます。
初期費用の内訳
| 項目 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 工事費(1回線目) | 1〜3万円程度 | 建物・プロバイダにより異なる |
| 工事費(2回線目) | 1〜3万円程度 | 同上 |
| フェイルオーバー対応ルーター | 3〜10万円程度 | 自動切替を行う場合に必要 |
月額費用の内訳
| 項目 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 光回線(1本目) | 4,000〜6,000円程度 | プロバイダ込み |
| 光回線(2本目) | 4,000〜6,000円程度 | 同上 |
| 合計 | 8,000〜12,000円以上 | 規模・事業者により変動 |
光回線2本は安定性が高い反面、月額コストが2倍になります。また自動切替を実現するにはフェイルオーバー対応ルーターが別途必要で、初期費用がさらに膨らみます。
LTEバックアップの費用詳細
LTEバックアップは、既存の光回線にフェイルオーバー対応機器とSIMを追加する構成です。
初期費用の内訳
| 項目 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| フェイルオーバー対応機器 | 3〜8万円程度 | 機種・構成により異なる |
| 設置・設定費用 | 0〜数万円程度 | 自己設置の場合は不要 |
月額費用の内訳
| 項目 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| SIM(バックアップ用) | 数百円〜(通信量による) | バックアップ用途は通常少量 |
| 既存の光回線 | 4,000〜6,000円程度 | 現状のまま継続 |
| 合計追加コスト | +数百円〜(通信量による) | バックアップSIM分のみ追加 |
LTEバックアップはバックアップ用途のSIMなので、通常時はほぼ通信しません。そのため月額SIM費用は低く抑えやすく、光回線2本と比べると月額追加コストは大幅に少なくなります。
コストで見る判断基準
| 比較項目 | 光回線 2本 | LTEバックアップ |
|---|---|---|
| 月額追加コスト | +4,000〜6,000円/月 | +数百円〜/月 |
| 年間追加コスト | 約5〜7万円/年 | 数千円〜数万円/年 |
| 自動切替 | 別途機器が必要 | 標準機能 |
| 回線障害1時間の推定影響額 (小規模飲食店の場合) |
数万円規模の可能性 | |
年1〜2回の障害で数万円規模の影響が出る可能性を考えると、月額数百円〜のバックアップコストは保険として割に合う範囲と考える事業者が増えています。
「費用をかけたくない」場合の現実的な落とし所
コストを最小限に抑えたい場合、テザリングを緊急時の手段として持っておくことは有効です。ただし設定できるスタッフがいない・繁忙時間帯に対応できないという問題があるため、完全なバックアップにはなりません。
現実的な落とし所は「月額数百〜1,000円程度のバックアップSIMを入れた機器を置いておく」構成です。初期費用はかかりますが、月額の追加コストは最小限に抑えられます。
費用を抑えながら備えるポイント
- バックアップ用SIMは通信量が少ないプランで十分(障害時のみ使用)
- 自動切替対応の機器を1台導入するだけで対応できる
- 光回線2本を引くよりも初期費用・月額ともに大幅に抑えられる
- 拠点が増えたときも同じ構成を横展開しやすい
クラウドスケッターについて
クラウドスケッターは、SORACOMのSIMを活用したLTEフェイルオーバーサービスです。機器費用・SIM月額・導入支援をまとめてご案内しています。構成・費用感は拠点の環境によって異なるため、まずはお気軽にご相談ください。
この記事のまとめ
- 回線冗長化の主な構成は「光回線2本」「LTEバックアップ」「テザリング」の3つ
- 光回線2本は月額8,000〜12,000円以上の追加コストがかかり、自動切替には別途機器が必要
- LTEバックアップは月額数百〜3,000円程度の追加コストで自動切替が実現できる
- テザリングはコストゼロだが手動対応が必要で恒常的なバックアップには向かない
- 年1〜2回の障害影響額と比較すると、LTEバックアップの月額コストは保険として割に合う範囲